ワールドシリーズMVP左腕は強打のMLB版2刀流選手

2014年ワールドシリーズを制したサンフランシスコ・ジャイアンツ。今年青木宣親選手も所属する同チームは昨年のワールドシリーズでカンザスシティ・ロイヤルズと対戦。
もつれにもつれたシリーズはジャイアンツの4勝3敗で幕を閉じた。そのシリーズにおいて7戦中3試合(先発2)に登板し2勝1セーブ。防御率は0.48の成績で文句なしのMVPに輝いたのはマディソン・バムガーナー投手。2010年後半からローテーションに定着してからは左のエースとしてジャイアンツを牽引している。
その「投手」バムガーナー。打撃も凄い。
2014年7月13日のダイヤモンドバックス戦。本拠地で先発したのはバムガーナー。その女房役はバスター・ポージー捕手。
この試合で5回にポージーが、6回にバムガーナーがそれぞれ満塁ホームランを放つという同一試合でバッテリーが満塁弾を放つというとMLB史上初の記録を演出した。
この年バムガーナーは2本の満塁弾を放ち、本塁打4本を記録。同じ年に満塁ホームランを2本放ったのは1966年のトニー・クロニンガー以来史上2人目の記録である。
そのバムガーナーが8月18日(日本時間19日)に初めて「代打」で登場。見事にヒットを打ちチームの勝利に貢献した。

動画は21日のホームラン

驚くのはその翌日、2戦続けて「代打」で登場したのだ。結果は三振であったが、名将ボウチー監督いわく「ベンチには彼以上にホームランを打っている選手はいない」。
ジャイアンツで50打席以上でバムガーナーより「長打率」で上回っているのはブランドン・クロフォード内野手のみ。オールスター捕手のバスター・ポージーでさえ彼よりその数字は下なのだ。

他に兼任選手として有名なのはジョージ・シスラー。
イチロー選手が年間安打記録を更新した際にその前ホルダーのジョージ・シスラー選手の名前が紹介された。
そのジョージ・シスラー選手も一時期投手も兼任していた。彼は盗塁王のタイトルも獲得しており文字通り優秀な「万能選手」である。

主に1910~1920年代に活躍したジョー・ウッド選手は別の意味でも「2刀流」選手であった。
彼はプロ入り当初投手で大活躍(12年に34勝)したのち、外野手に転向した。しかし彼の「2刀流」はこの話しではない。
彼は性別を偽って女子野球チームで活動していたというのだ。この記録は定かではないが、男であることがばれて追放になったという。

最も2刀流として成功したのはベーブ・ルースであることは疑う余地もない。
1915年から4年間で78勝、1918年には11本塁打を放ち「MLB唯一の同一年で10勝以上かつ10本塁打以上」を記録している。ちなみに日本では昨年大谷翔平選手が同記録を達成している。(韓国リーグでも同様の記録はある)

ジャイアンツのボウチー監督は今期序盤、真剣にバムガーナーの指名打者で起用を考えたという。
2003年にミルウォーキー・ブルワーズで活躍したブルックス・キーシュニック選手以来の「2刀流」なるか。
MLBでもにわかに「2刀流」がフューチャーされつつある。

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